アイデンティティ セキュリティ戦略に欠かせないデータ保護を考える

昨今の企業は、自社のビジネス データを活用して、生産性の向上とイノベーションの推進に取り組んでいます。AIからビジネス インテリジェンスまで、適切な情報に適切なアクセス権限を設定することは、データに基づいた意思決定を行い、競争優位性を維持する上で欠かせないプロセスとなっています。

しかしながら、多くの企業では、最も機密性が高いデータの保管先や、アクセス権限を持つ従業員、使用状況の可視化に限界を感じています。しかし、これらの情報が可視化されなければ、データの漏洩や侵害検知の遅れ、データへのアクセス状況が追跡できないことによるコンプライアンス違反のリスクが生じます。

動的なアクセス権限を管理・統制する上で、意思決定を最適化し、セキュリティ制御を強化するには、組織全体で管理している機密データの保管先とその使用状況を把握することが欠かせません。重要なデータ資産に関する十分なコンテキストとインテリジェンスを取得することで、組織はアイデンティティのライフサイクル全体を通じてデータ アクセスを統合的に管理し、オーバープロビジョニングを最小限に抑え、セキュリティ態勢を総合的に強化できます。

本書ではアイデンティティ セキュリティ担当者向けに、アクセス権限の管理とプロアクティブな保護について、具体的な取り組みをスタートさせる際にぜひ取り入れていただきたい要件をいくつかご紹介します。